こんにちは。
料理家の小牧知子です。「食らしの日記」が始まります。
いつかたくさんの記事に埋もれてしまうこの記事が、最初の日記。
まずは、これを読んでいただいているあなたにありがとうの気持ちをお伝えします。
子供のころから食を大切にする母に育てられ、暮らしの中心は台所でした。
幸いにも大好きな食に関わる仕事をここまで続けていくことができたのは、
食、料理、それにまつわる事柄が大好きだったから。
どんな現場でもその現場なりの食の意味があって、想いがあって。
食べることって、生きることだから、人間にとってなくてはならないものだし、
家族や、大切な人をつなぐもの。昔も今も、その想いは変わらず持ち続けています。
料理というものを軸にしてお仕事をする中で感じてきたこと。
出会って、心に響いたもの。影響を受けた人。
小さいころの大切な思い出。
そして今そばにいる大切な家族。
文字にし、分かち合いたい想いが溢れるほどあり、その表現に迷ったり、言葉をその都度選びながら、
食生活のたくさんの楽しみや、積み重ねてきた思い出を言語化することでより確実な想いになると信じています。
第一回目の日記は「カステラケーキ」。
子供のころ、我が家の小さな行事に登場した、母の手作りケーキ。
市販の甘いカステラ生地に、甘さ控えめの真っ白いホイップと、季節の果物。
その組み合わせが、和菓子で言うといちご大福に似た食べ心地で、言うならば素材を組み立ててあるケーキ。お菓子作りはほとんどしなかった母の唯一の手作りケーキだったのかもしれません。
そのケーキは、自家製の生クリームが甘さ控えめで、黄桃が刻んで混ぜてあり、トッピングのフルーツとの相性がぴったりでとっても美味しかったのを覚えています。
カステラケーキの想い出は、継続的に母が行っていた食習慣みたいなもの。
それはとても感動的なものとか、特別なものではないんだけれど、
そんな些細な日常が、きっとなにより温かい思い出だと改めて感じながら、
カステラケーキを初めて自分で組み立ててみました。
〈材料〉(2人分)
- カステラ 2切れ
- 生クリーム 50ml
- グラニュー糖 3g
- 黄桃(缶詰) 1/2個分
- 季節のフルーツ お好みで
- ミント お好みで
〈作り方〉
- ①生クリームとグラニュー糖をホイッパーで混ぜ、ホイップクリームを作る。
- ②水分を切った黄桃を5ミリ角に切り、①のホイップの2/3に混ぜる。
- ③カステラを半分の薄さにスライスし、、真ん中に黄桃入りホイップをのせ、全体にならし、もう片方のカステラでサンドする。
- ④残りのホイップをトッピングし、お好みのフルーツをのせ、ミントを飾る。
黄桃を混ぜたホイップって、幸せの味。息子の好きなシャインマスカットをのせて。
料理・スタイリング:小牧知子
器:ワタナベマキさん